最終更新日:2026年5月

【損か得か完全解説】奨学金の繰り上げ返済 vs NISA積み立て|2026年最新シミュレーションで徹底比較

こんにちは、ゆきです。

「手元に余裕資金ができた。奨学金を繰り上げ返済すべきか、NISAに回すべきか」——これは奨学金を返済中の20〜30代にとって、最もよく出てくるお金の悩みのひとつです。

答えは「借りている奨学金の種類と金利によって、まったく変わる」です。そしてこの答えが、2026年現在、かつてないほど重要になっています。

なぜなら、JASSOの第二種奨学金(有利子)の金利が、2021年の0.268%から2026年1月には2.512%へと約9倍に急騰しているからです。「奨学金は低金利だから安心」という常識が、完全に崩れています。

この記事では、第一種(無利子)・第二種(有利子)それぞれについて、繰り上げ返済とNISA積み立てをシミュレーションで比較します。私自身は第一種(無利子・残高260万円)を抱えながらNISAを継続中で、なぜそう判断したかも含めて、数字と体験を交えながらお伝えします。


Contents
  1. 1.まず知るべき「2026年の奨学金金利」の現実
  2. 2.繰り上げ返済の基本|仕組みとやり方
  3. 3.第一種(無利子)の場合:NISAが圧倒的に有利
  4. 4.第二種(有利子)の場合:金利水準で答えが変わる
  5. 5.NISAの基本と、奨学金返済との両立モデル
  6. 6.奨学金と住宅ローンの関係|返済中に家を買う注意点
  7. 7.私が「繰り上げ返済しない」と決めた理由(体験談)
  8. 8.判断フローチャート|あなたはどちらを選ぶべき?
  9. 9.よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1.まず知るべき「2026年の奨学金金利」の現実

繰り上げ返済すべきかどうかを判断する前に、まず自分の奨学金にどれだけの金利がかかっているかを把握することが絶対条件です。

JASSOの第二種奨学金の利率(固定方式)は、以下のように推移しています。

貸与終了時期利率(固定方式)利率(見直し方式)
2021年4月0.268%0.004%
2025年3月1.641%0.500%
2026年1月2.512%1.700%

上限は年3%。2026年1月時点で固定方式はすでに2.512%に達しており、上限まであと0.5%もない状況です。日銀の利上げが続けば、近い将来に上限3%に達する可能性も十分あります。

💡 2022年頃(0.3〜0.4%台)に卒業した人と、2026年に卒業した人では、同じ300万円を借りても利息の総額が40万円以上変わるケースがあります。「自分がいつ卒業したか」で状況がまったく異なるため、必ずスカラネット・パーソナルで自分の利率を確認してください。

自分の利率の確認方法

  1. JASSOの「スカラネット・パーソナル」にログイン
  2. 「返還の詳細」→「貸与情報」から利率を確認
  3. 固定方式か見直し方式かも同時に確認する

この数字が、この後の判断基準のすべての出発点になります。


2.繰り上げ返済の基本|仕組みとやり方

繰り上げ返済とは、定期返済に加えて元金の一部または全額を前倒しで返済することです。JASSOの奨学金は手数料ゼロで繰り上げ返済でき、スカラネット・パーソナルから24時間いつでも申し込み可能です。

繰り上げ返済の2種類

  • 一部繰り上げ返済:10万円・50万円など、残債の一部を早期返済する。その後の月々の返済額を下げるか、返済期間を短縮するかを選べる。
  • 一括繰り上げ返済(全額繰り上げ):残額をすべて一度に返済する。有利子であれば利息が完全にゼロになる。

繰り上げ返済の最大のメリットと限界

繰り上げ返済の最大のメリットは「利息の節約」です。ただしこれは有利子の第二種奨学金を借りている場合にのみ発生するメリットです。

第一種(無利子)の繰り上げ返済では、節約できる利息はゼロです。早く返しても、10年かけて返しても、総返済額はまったく変わりません。「早く返したい」という気持ちは自然ですが、数字で見ると「手元の現金を前倒しで手放しているだけ」とも言えます。


3.第一種(無利子)の場合:NISAが圧倒的に有利

私が現在も実践している判断です。第一種奨学金(無利子)の残高260万円を抱えながら、毎月NISAに積み立てを続けています。その根拠を数字で示します。

シミュレーション①:100万円の使い道を比較

仮に今、手元に100万円の余裕資金があるとします。

選択肢10年後の結果15年後の結果
繰り上げ返済に100万円使う節約できた利息:0円。返済完了が早まるだけ。同上
NISA(年率6%・一括)に回す約179万円(+79万円)約240万円(+140万円)
NISA(年率7%・一括)に回す約197万円(+97万円)約276万円(+176万円)

無利子の奨学金に対して100万円を繰り上げ返済しても、手元の資産は100万円分だけ「消える」だけです。一方NISAで運用した場合、長期の複利効果によって10年で約80〜100万円、15年で140〜175万円のリターンが期待できます(元本保証ではありませんが、全世界株インデックスの過去長期実績に基づく試算)。

シミュレーション②:月2万円を「追加返済」vs「NISA積み立て」

毎月2万円の余裕資金をどう使うかを比較します。

選択肢10年間の合計手元に残るもの
毎月2万円を追加繰り上げ返済元本240万円を早期返済。利息節約:0円。借金が早く消えるが資産ゼロ
毎月2万円をNISA(年率7%)に積み立て元本240万円 → 約347万円に成長約107万円の運用益(税ゼロ)

月2万円を10年間NISAで積み立てると、元本240万円が約347万円になる計算です(年率7%・税ゼロ)。一方、同じ240万円を追加返済に使っても、無利子の場合は「早く借金がなくなる」以外のメリットはありません。

💡 「無利子の借金を抱えている」ことは、金融的には「0%で融資を受けている状態」と同義です。この状態でNISAで年率6〜7%の運用ができるなら、理論上はレバレッジが効いていると考えることもできます。

第一種でも繰り上げ返済を検討すべきケース

数字的には非効率でも、繰り上げ返済が合理的な選択になる場面はあります。

  • 住宅ローン審査を近く控えている:奨学金残高は「既存の借入」として審査に計上される。返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)が35%を超えると審査落ちのリスクが上がるため、残高を減らす戦略が有効なことがある。
  • 「借金があること」が精神的にしんどい:投資は数字だけで判断しなくていい。心理的な安定のために繰り上げ返済することには、数字を超えた価値がある。
  • 投資へのリスク許容度が低い:「万が一NISAが下がったとき、後悔してしまう」という性格の人は、無理に投資を続けるより借金を減らす方がストレスが少ない。

4.第二種(有利子)の場合:金利水準で答えが変わる

2026年現在、第二種奨学金の金利は2.5%超。これは「繰り上げ返済 vs NISA」の判断を根本から変える水準です。

利息の総額を計算してみる

300万円を15年返済(月々約2万円)で借りた場合の利息総額(概算):

利率15年間の利息総額(概算)月々の利息分(平均)
0.3%(2021年頃)約7万円約400円
1.0%約23万円約1,300円
1.641%(2025年3月)約38万円約2,100円
2.512%(2026年1月)約57万円約3,200円
3.0%(上限)約70万円超約3,900円

2026年に貸与が終了した人が300万円を借りていた場合、15年間で約57万円もの利息を払う計算になります。これは無視できない金額です。

シミュレーション③:利率別「繰り上げ返済 vs NISA」の有利・不利

余裕資金100万円があるとして、繰り上げ返済とNISA積み立てを比較します。NISAの期待リターンを年率6〜7%として試算します。

奨学金の利率繰り上げ返済の節約効果(15年)NISA運用の期待リターン(15年・年率6%)判断
0.3%約1万円約+140万円NISA圧倒的有利
1.0%約3.5万円約+140万円NISA有利
2.0%約46万円約+140万円NISAやや有利
2.512%約57万円約+140万円NISAやや有利(要検討)
3.0%(上限)約70万円超約+140万円投資不安がある人は繰り上げも有効

現在の金利水準(2.5%前後)でも、NISAの期待リターン(年率6〜7%)の方が上回っている計算になります。ただし投資はリターンが保証されるものではなく、短期的な暴落リスクも存在します。「数字の上ではNISAが有利だが、リスクを取れない人は繰り上げ返済を選んでいい」というのが正直な結論です。

「固定方式」か「見直し方式」かで戦略が変わる

第二種奨学金には、利率の決め方に「固定方式」と「見直し方式(変動)」の2種類があります。

  • 固定方式:貸与終了時に利率が確定し、返済が終わるまで変わらない。2026年1月時点で2.512%。「これ以上上がらない」確実性がある。
  • 見直し方式(変動):5年ごとに利率が見直される。現在は1.700%と低いが、日銀の追加利上げがあれば上昇リスクがある。最悪の場合は上限3%に達する可能性も。

見直し方式を選んでいて「今後も金利が上がりそうで怖い」という場合は、金利が低いうちに繰り上げ返済を優先するという考え方も合理的です。特に残高が多い人ほど、金利上昇リスクは大きくなります。


5.NISAの基本と、奨学金返済との両立モデル

「NISAと言っても何に投資すればいいかわからない」という方のために、奨学金返済と並走しながらNISAを活用するポイントを整理します。

奨学金返済中の人にNISAをすすめる3つの理由

  1. 運用益が非課税:通常の投資では利益に約20%の税金がかかるが、NISA口座内はゼロ。長期的な複利効果を最大限活かせる。
  2. いつでも引き出せる:定期預金と違い、急なお金が必要になったり「やっぱり繰り上げ返済に使いたい」と思ったときも対応できる柔軟さがある。
  3. 時間が最大の武器:複利は早く始めるほど効果が大きい。「返済が終わってから始めよう」ではなく、少額でも今すぐ始めることが長期的な差を生む。

オルカンの直近リターン(参考)

NISAで最も人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の直近リターンは以下の通りです(2026年3月時点)。

  • 1年:+34.74%
  • 3年:+105.50%
  • 5年:+143.25%

過去の実績は将来を保証しませんが、長期的な世界株インデックスの年率期待リターンは6〜7%程度とされています。また、新NISA開始(2024年1月)から2026年2月まで毎月5万円を積み立てた場合、元本130万円が約168万円になったという実績データもあります。

実際の家計モデル:奨学金返済+NISA積み立ての両立例

月収25万円・都営住宅在住(家賃3万5,000円)の場合のモデルです。

  • 家賃:35,000円
  • 奨学金返済:22,000円
  • 食費・日用品:40,000円
  • 光熱費・通信費:20,000円
  • 保険・その他:15,000円
  • NISA積み立て:30,000円
  • 残り(貯金・予備費):約88,000円

このモデルでは月3万円のNISA積み立てを10年続けると、元本360万円が年率7%の運用で約519万円になる計算です。奨学金を返済しながらでも、固定費を抑えることで着実に資産を積み上げられます。

逆に、家賃が13万円の民間賃貸では同じ月収でNISAに回せる金額はほぼゼロになります。住む場所の選択が、10年後の資産に直結することがわかります。


6.奨学金と住宅ローンの関係|返済中に家を買う注意点

奨学金の繰り上げ返済を考えるとき、もう一つ見落とせない要素が「住宅ローン審査への影響」です。

奨学金の返済中残高は、住宅ローンの審査において「既存の借入」として申告が必要です。多くの金融機関では返済負担率(年収に対する年間返済総額の割合)が35%以下を審査基準としています。

奨学金が住宅ローン審査に与える影響の具体例

年収400万円・奨学金残高150万円(月々返済1万7,000円)の場合:

  • 奨学金の年間返済額:約20万円
  • 住宅ローンに使える返済余力(35%基準):年140万円 → 月約11.7万円
  • 奨学金分を差し引いた住宅ローン返済可能額:月約10万円
  • 月10万円で35年ローン(金利1.5%)の借入可能額:約3,000万円程度

奨学金残高がゼロなら、住宅ローンの借入可能額はもう少し上がります。マイホームを検討している人は、奨学金の残高を減らすことがローン審査対策にもなるという点は念頭に置いておく価値があります。

ただし、奨学金を繰り上げ返済してしまうと手元の頭金が減り、結果的にローン総額が増えることもあります。「頭金を増やすか、借入残高を減らすか」はトレードオフなので、FPなどに相談しながら判断することをおすすめします。

奨学金の延滞は最もやってはいけないこと

奨学金の返済を3ヶ月滞納すると、その情報が個人信用情報機関に登録されます。その記録は、滞納解消後も5年間残り続けます。住宅ローン・カーローン・クレジットカードの審査に影響するため、繰り上げ返済の是非を議論する以前に「延滞だけは絶対に避ける」ことが最優先です。


7.私が「繰り上げ返済しない」と決めた理由(体験談)

私は第一種奨学金(無利子)の残高が260万円あります。毎月2万2,000円を返済しながら、同時に毎月NISAに積み立てを続けています。

最初は「早く借金をなくしたい」という気持ちが強く、繰り上げ返済を何度も考えました。でも数字を計算してみると、無利子の借金を早期返済するより、その分をNISAに回す方が10年後・15年後の資産が大きくなることは明らかでした。

それ以上に大きかったのは、都営住宅に引っ越したことで家賃が月10万円以上下がったことです。手元に残るお金が増えたことで、「毎月2万2,000円の返済」という金額の心理的な重さがまったく変わりました。

返済が苦しいと感じている人の多くは、奨学金の額の問題より固定費が高すぎることが本質的な問題だと思っています。繰り上げ返済を考える前に、まず家賃を見直してみることをおすすめします。


8.判断フローチャート|あなたはどちらを選ぶべき?

以下の順番で自分の状況を確認してください。

  1. 第一種(無利子)か? → YES:基本的にNISAを優先。繰り上げ返済の数字的メリットはゼロ。 → NO(有利子):次のステップへ。
  2. 自分の利率はいくらか? → 1.0%以下:NISAが明確に有利。繰り上げ返済の優先度は低い。 → 1.0〜2.0%:NISAがやや有利。ただし残高が多い場合は繰り上げ返済も一考。 → 2.0〜2.5%以上:NISAとの差が縮まる。投資リスクへの許容度で判断。
  3. 固定方式か見直し方式か? → 見直し方式(変動):今後の利上げリスクがあれば繰り上げ返済を優先する考えも。 → 固定方式:利率が確定しているため、NISAとの比較がしやすい。
  4. 近いうちに住宅ローンを組む予定があるか? → YES:奨学金残高を減らして借入可能額を確保する戦略が有効なことがある。FPへの相談を推奨。 → NO:上記の利率判断をもとにNISAまたは繰り上げ返済を選択。
  5. 生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)は確保できているか? → NO:繰り上げ返済もNISAも前に、まず緊急予備資金を貯める。 → YES:上記の判断フローに従って行動。

9.よくある質問(FAQ)

Q1. 繰り上げ返済の手続きはどこからできますか?

JASSOのスカラネット・パーソナル(会員専用サイト)からオンラインで申し込めます。手数料は無料で、一部繰り上げ・一括全額返済のどちらにも対応しています。

Q2. ボーナスが入ったら繰り上げ返済すべきですか?

第一種(無利子)であれば、優先順位は①生活防衛資金の補充②NISAへの追加投資③繰り上げ返済の順です。第二種(有利子・高利率)の場合は、残高と利率をもとに利息節約額を計算してからNISAと比較してください。

Q3. NISAはいつ始めればいいですか?

今すぐ始めることが正解です。複利は時間が長いほど効果が大きく、「奨学金を完済してから始めよう」という考え方は機会損失につながります。月1,000円・5,000円からでも積み立てを始め、返済が終わったら金額を増やすという順番が現実的です。

Q4. 繰り上げ返済すると月々の返済額は下がりますか?

一部繰り上げ返済の際、「返済期間を短縮する」か「月々の返済額を下げる」かを選べます。毎月のキャッシュフローを改善したい場合は返済額を下げる方を、総利息をなるべく減らしたい場合は返済期間を短縮する方を選びましょう。

Q5. 第二種奨学金の利率を下げる方法はありますか?

残念ながら、一度確定した利率を後から変更することは基本的にできません(固定方式の場合)。ただし見直し方式を選んでいる場合は、5年ごとの見直しタイミングで利率が変わります。また、職場や自治体の「奨学金代理返還制度」を利用することで実質的な負担を減らせるケースもあります。

Q6. 収入が低くて返済もNISAも難しい場合は?

まず固定費(特に家賃)の見直しを検討してください。東京都の都営住宅や、家賃補助制度を活用することで月数万円の余裕が生まれるケースがあります。また、収入が一定以下であればJASSOの減額返還制度で月々の返済額を半分にできます。「収入が少ない→何もできない」ではなく「固定費を下げる→選択肢が生まれる」という順番で考えてみてください。


まとめ

  • 第一種(無利子):繰り上げ返済の数字的メリットはゼロ。余裕資金はNISAへ回す方が10〜15年後の資産が大きくなる。
  • 第二種(有利子):2026年時点で金利は2.5%超に急騰。それでも長期のNISA期待リターン(6〜7%)が上回ることが多いが、リスク許容度・住宅ローン計画・金利方式(固定か変動か)を踏まえて個別に判断する。
  • 繰り上げ返済が有効なケース:住宅ローン審査前・投資リスクへの不安が強い・変動金利でさらなる上昇リスクを感じている場合。
  • NISAは今すぐ始める:少額でも早く始めるほど複利の恩恵を受けられる。返済完了を待つ必要はない。
  • 固定費の削減が最大の前提条件:家賃を下げることで奨学金返済とNISAを無理なく両立できる余地が生まれる。

「繰り上げ返済かNISAか」という問いに、万人共通の正解はありません。でも自分の利率を知り、数字で比較した上で選ぶことで、後悔のない判断ができます。まずはスカラネット・パーソナルで自分の利率を確認することから始めてみてください。


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