メンタルと暮らし

双極性障害(躁うつ病)になった私が伝えたいこと|発症から現在までのリアルな記録

■ はじめに

こんにちは。
私は「双極性障害(躁うつ病)」という持病を持っています。

一言で言えば、気分の波が激しい病気です。
うつのときは「死にたい」と思うほど落ち込み、
そう(躁)になると「自分は何でもできる!」とハイテンションになる。

しかもその波は、1週間から1か月くらいの周期でくり返すんです。
今回は、私のリアルな体験を通して「双極性障害ってどんな病気?」を
少しでもイメージしてもらえたらと思います。


■ 発症は22歳。「死にたい」から始まった

最初に異変を感じたのは、22歳のとき。

当時の私は、仕事や人間関係でいろいろなストレスを抱えていました。
そのうち、何をしても楽しくない。
「もう生きてる意味がわからない」と思うようになり、
本気で「死んだほうが楽かもしれない」と考えました。

一度は自殺未遂を起こしてしまい、
「このままじゃ本当にまずい」と思ってクリニックを予約しました。

でも不思議なことに――
1週間後、診察の日になると気分が急上昇していたんです。

部屋を片付けて、料理して、外出して、勉強して。
「え、私、うつ病治ったかも!」と錯覚するくらい元気。
でもそのあと、また急に落ち込んで動けなくなる。

それが、私の双極性障害の始まりでした。


■ 「適応障害」から「双極性障害」へ

最初に診断されたのは「適応障害」。
でも半年後、再び強い気分の波が来て、別のクリニックを受診。
そこで「双極性障害」と言われました。

「やっぱりか」という感覚でした。

その後、3つのメンタルクリニックを回り、
光トポグラフィー(脳の血流を調べる検査)も受けましたが、
どの先生も「双極性障害です」と同じ診断。

医師からはこう言われました。

「うつもそうも、薬でコントロールできますから心配しないでください。」

この言葉に少しホッとしました。


■ そう状態のときの私

そう状態になると、まるで別人です。
頭の中が「アイデア」と「やる気」でパンパンになります。

たとえば――

  • 睡眠時間が3時間でも元気。
  • 朝まで掃除や模様替えを続けても疲れない。
  • 「自分は特別」「なんでもできる」と思いこむ。
  • スキルアップ教材を高額で買ってしまう。
  • 家具や雑貨を衝動買いして、1か月でクレジット請求100万円

当時は本気で「人生変えられる!」と信じていました。

でも後で明細を見ると、「これ、何買ったんだっけ?」と思うほど記憶が曖昧。
お金の使い方も人間関係も、全部がコントロール不能になります。


💔 恋愛・家庭にも影響が出た

そう状態のときは、感情の振れ幅がとにかく激しいです。

私は妊娠中に気分が高ぶって夫と大喧嘩し、
勢いで離婚してしまいました。

ところが2日後、冷静になって「何やってるんだろう」と後悔。
結局、同じ人と再婚しました。

我ながらドラマみたいな展開ですが、
そのときは「本気」なんです。
そう状態では、自分が“正しい”と思い込んでしまうから。


■ うつ状態のときの私

うつのときは、すべてが真っ暗。
生きている意味がわからなくなる。

朝起きるのもつらく、出勤もしたくない。
「クビになっても別にいいや」と本気で思うほど無気力。

家事も育児もできず、寝て起きて薬を飲むだけ。
時間が止まったように感じます。

そんなときは、頭の中で「死にたい」という言葉が何度もリピート。
でも一方で「これ、うつ状態きてるな」と冷静に気づく自分もいます。
頓服の抗不安薬を飲んで、波が過ぎ去るのをじっと待つんです。


💭 交友関係はどんどん狭くなる

長く付き合える友達が少なくなりました。
今、私が「友達」と呼べるのは一人だけ。
その人も精神疾患を抱えていて、だからこそ理解し合える。

そうじゃない人とは、どうしても距離ができてしまいます。


■ 先生と夫の支え

一番つらいとき、私を救ってくれたのは先生と夫の言葉でした。

先生は言いました。

「あなたが悪いわけじゃありません。育児や仕事の負担が大きいだけ。治療で必ず良くなりますよ。」

夫はこう言いました。

「大丈夫。解雇されても、家事ができなくても、生きてるだけでいいよ。」

この2つの言葉で、私は何度も泣きました。
「私には支えてくれる人がいる」と思えたことで、
もう一度生きようと思えたんです。


■ 現在の治療と生活

今は通院と薬物療法を続けています。
カウンセリングは料金が高くて受けていませんが、
自立支援医療制度を利用しているので、薬代・診察代はすべて無料。

服用している薬は以下の通りです:

  • エビリファイ3mg(双極性障害の治療用)
  • マイスリー10mg(睡眠薬)
  • メイラックス1mg(不安時に頓服)

メイラックスを仕事中に飲むと眠気が出ることがあるので注意しています。
それ以外は大きな副作用もなく、安定して過ごせています。


■ 私が心がけていること

双極性障害と共に生きるうえで、私が大事にしているのは3つ。

① 無理をしないこと

「今日できなくても、また明日がある」
「なにもできなくても、生きてるだけでえらい」
そう自分に言い聞かせています。

② 睡眠と食事を整える

睡眠不足は症状悪化の引き金。
夜は24時までに寝て、8時間睡眠を確保。
食事も、野菜・肉・炭水化物をバランスよく。

③ ストレスをためない

不安を感じたら、アロマを焚いたり、夫や友人に話を聞いてもらう。
ひとりで抱えこまないようにしています。


■ 双極性障害を「受け入れる」

この病気を「治す」と考えると苦しくなります。
だから私は、「この病気と一緒に生きていく」と決めました。

病気も、私の一部。
この経験があったからこそ、人の痛みに敏感になれたし、
「人それぞれ違うメンタルがある」と心から理解できるようになりました。

以前の私は、他人の言葉にすぐ傷ついていました。
でも今は、「あの人にもあの人なりの背景がある」と思えるようになりました。

それは、双極性障害が教えてくれた“優しさ”です。


■ 同じ悩みを抱えるあなたへ

もし今、治療を続けても効果が出ずに落ち込んでいる人がいたら、
どうかあきらめないでください。

主治医に正直に「効かない」と伝えてください。
先生が言っていました。

「今までの薬で効果がなかったからといって、次も効かないとは限りません。」

薬は合う・合わないがあります。
自分に合う薬や治療法を見つけるまで、焦らずに。

そして、自立支援医療制度障害年金などの制度も使いましょう。
お金の不安が減るだけで、心がずっと軽くなります。

「助けを借りること」は、弱さじゃありません。
それは“自分を守る力”です。


■ まとめ ― 「生きてるだけでえらい」

双極性障害を抱えながら、私は今も働き、子育てをしています。
正直、波はあります。
うつで寝込む日もあれば、そうで夜中まで動き続ける日もあります。

でも、少しずつ自分の「波」と上手に付き合えるようになってきました。

過去の自分に言ってあげたい言葉があります。

「よく頑張ってるよ、自分。」

たとえうまくいかない日があっても、生きてるだけでえらい。
双極性障害でも、幸せに生きることはできます。

これを読んでくれているあなたにも、そう伝えたいです。

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