こんにちは、FPのゆきです。
今日は、相談現場で本当によく聞く悩み──
「教育費が払えない」「学資保険に入ってるけど足りない」「もうどうすればいいかわからない」
そんな声にお答えします。
結論から言うと、
教育費は“完璧に準備できなくても大丈夫”です。
なぜなら、国の支援制度も、家計の見直しも、やれることはたくさんあるから。
この記事では、FPとして実際に数百世帯を見てきた私が、
「教育費が払えない」と感じたときに取るべき3つの選択肢を紹介します。
🎓よくある相談ケース
まずは、実際によくある2つのタイプの相談から。
ケース①:私立受験で教育費が想定外に増えた家庭
「公立中高の想定で貯金していたけれど、急に中学受験をすることになってしまい…」
私立の学費・塾代が重なり、大学用に貯めていた教育費まで使ってしまった。
学資保険も18歳満期で今は受け取れず、解約すれば元本割れ──。
貯金はほぼゼロ。もう打つ手がない…という切実なご相談。
ケース②:なんとなく家計を回していた家庭
一方で、「全部公立に行けば安いし、収入も上がるはず」と楽観的に構えていたら、
気づけば子どもが中学生。教育費が一気に増えて焦り出す…。
家計はどんぶり勘定で、生活費の内訳もわからない。
このタイプの家庭も非常に多いです。
🚨まず知ってほしいFPの結論
教育費が足りない家庭の共通点は「家計を把握していない」こと。
そして、多くの人が「学資保険さえ入っていれば安心」と誤解していること。
学資保険は、正直言って効率が悪い商品です。
保険会社があなたのお金を運用し、そこから手数料を取る仕組み。
しかも途中解約は元本割れ。
資産運用をしたいなら、保険会社を介さず自分でNISAを活用したほうが圧倒的に効率的です。
✅ 選択肢①:家計の「固定費」を見直す(即効性◎)
教育費が払えないとき、まずやるべきは“節約”ではなく固定費のリストラです。
💡FPがよく見る「固定費の落とし穴」
- 身の丈以上の家に住んでいる(住宅費が高すぎる)
- キャリアスマホをそのまま使っている
- 保険料が高すぎる
- なんとなく契約したサブスクが複数ある
ある家庭では、住居費を月5万円下げ、スマホ代を1万円削減、
食費と使途不明金を合わせて月7万円の節約に成功。
年間貯金ゼロだったのが、1年で150万円貯まる体質に変わりました。
💬 FPアドバイス
夫婦のうちどちらか一方の収入で生活し、もう一方の収入はまるごと貯蓄。
これができれば最強です。
大切なのは、「収入より少なく暮らす」こと。
節約は我慢ではなく、満足度が下がらない工夫です。
例えば、キャリアスマホを格安SIMに変えたり、ネットスーパーで計画的に買い物するなど。
そして、もし車があるなら考えましょう。
「車は資産ではなく負債」。
維持費がかかるなら、手放しても生活に支障がないか検討する価値ありです。
🏫 選択肢②:制度をフル活用する(支援制度編)
教育費が足りないときは、「もらえるお金」「借りられるお金」を知ることが大切。
特に日本は近年、教育支援制度が充実しています。
| 制度名 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 高等学校等就学支援金 | 高校生 | 年収約910万円未満で授業料が実質無料 |
| JASSO給付型奨学金 | 大学生・大学院生 | 成績・所得要件を満たせば返済不要 |
| JASSO貸与型奨学金 | 大学生・大学院生 | 無利子・有利子あり。借りすぎに注意 |
| 日本政策金融公庫 教育ローン | 保護者 | 最大350万円まで低金利で借入可 |
💬 FPアドバイス
- 奨学金は「借りすぎ」が一番の落とし穴。
卒業後に返済で苦しむ人が本当に多い。
必要最低限の金額に抑えるのが鉄則。 - 低所得世帯だけでなく、中間層にも使える制度が増えている。
- シングルマザー・ファザー家庭は支援制度の対象が広いので、積極的に活用を。
制度は「知らない人が損をする」世界です。
特にJASSOや就学支援金は、申請を逃すと1年待ちになります。
💡 選択肢③:貯金と投資を上手に使い分ける(資金管理編)
教育費は「中期的な貯蓄」です。
目安は10年以内に使うお金。
この期間におすすめなのは、安定していて手数料の安い投資信託。
たとえば、
- eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)
- つみたてNISAでコツコツ積み立て
iDeCoは60歳まで引き出せないため、教育資金には不向きです。
一方でNISAはいつでも引き出せるので、教育資金にも活用できます。
💬 目的別に“お金の箱”を分けよう
- 父親名義 → 教育資金
- 母親名義 → 老後資金
- 共通口座 → 生活費
こうして「お金の色分け」をすると、
無駄遣いが減り、教育費を確実にキープできます。
👨👩👧 家族構成・ライフプラン別の考え方
一人っ子でも三人兄弟でも、やることは同じ
「家計を把握し、無駄をなくし、多く貯蓄し、上手に運用する」
この基本は変わりません。
ただし、兄弟が多い場合は教育費の優先順位を明確にしておきましょう。
シングル家庭は支援制度を最大限利用
児童扶養手当や就学支援金など、条件を満たせば大きな助けになります。
「遠慮せずに申請する」ことが第一歩です。
夫婦での話し合いは“1回で終わらせない”
教育費と老後資金は表裏一体。
定期的に見直しをして、将来のズレを防ぎましょう。
FPなどの第三者を交えて話すのもおすすめです。
🧠 FPが伝えたい「心の持ち方」
教育費の悩みは、誰にでも起こり得ます。
みんな意外と余裕なんてありません。
「家計運用に失敗した…」と落ち込む必要はありません。
大切なのは、今できることをやること。
副業で収入を増やす。支援制度を使う。無駄を減らす。
それだけで状況は必ず改善します。
教育費を優先しすぎて生活が苦しくなるのは本末転倒。
身の丈に合った教育で十分です。
「お金がない=親失格」なんてことは絶対にありません。
そう感じている人はたくさんいます。あなたも、その一人でいいんです。
💬 最後にFPから一言
教育費の悩みは、誰もが通る道。
完璧に準備する必要はありません。
支援制度も、運用も、見直しも、「やれること」はたくさんあります。
もしどうしても迷うなら、
独立系のFP(保険を売らないタイプ) に相談してください。
中立的な立場で、あなたの家計を一緒に整理してくれます。
