第1章 USCPAとは?どんな資格なのか
アメリカ公認会計士(U.S. Certified Public Accountant/USCPA)は、
世界でもっとも信頼されている国際会計資格の一つです。
日本の「公認会計士」とは異なり、USCPAはアメリカ各州の制度に基づいて発行される資格です。
そのため、どの州で受験・登録するかを最初に決める必要があります。
USCPAを取得すると、次のようなキャリアアップが期待できます:
- 外資系企業での経理・財務職に転職できる
- グローバル基準の会計知識が身につく
- 英語+会計の「ダブル武器」を手にできる
- 年収アップ・海外赴任のチャンスが増える
つまりUSCPAは、「世界で通用する会計のパスポート」とも言えます。
第2章 なぜ「モンタナ州」で受験する人が多いのか?
USCPAは州ごとに受験資格やライセンス条件が異なります。
その中でも「モンタナ州(Montana)」は、日本人受験生に人気があります。
理由は以下の通りです:
- 実務経験の提出が簡単(上司サイン不要)
- 学歴要件がゆるい(大学卒業+会計24単位など)
- 海外居住者でもライセンス登録可能
つまり、海外や日本在住の社会人でもスムーズに受験・登録できる州なのです。
本記事でも、モンタナ州を例にして進めていきます。
第3章 ステップ① 出願準備:WES(学歴評価)とは?
まずは「あなたの大学の学位が、アメリカ基準でどう評価されるか」を確認する必要があります。
これが WES(World Education Services) の役割です。
✅ 手順
- WESの公式サイトでアカウントを作成
- 「学歴評価(Course-by-Course)」を選択
- 大学に英文の成績証明書を依頼
- WESに直接送付(EMSなどで郵送)
- 約1か月後に評価結果が届く
費用は約 5万円前後。
この結果をもとに、「どの科目がUSCPAの単位として認められるか」が判定されます。
🔍 ポイント
- 成績証明書は原本+英訳を提出
- 評価結果はNASBA(受験機関)にも提出可能
- 結果を見て、不足単位を洗い出す
第4章 ステップ② 不足単位を補う(単位補充)
WESの結果で「会計単位が足りない」と出た場合、
オンライン大学(例:CSUなど)で追加科目を受講します。
✅ よく受講される科目例
- Financial Accounting(財務会計)
- Auditing(監査論)
- Business Law(商法)
費用は1科目あたり 3〜4万円 程度。
オンラインで完結するので、社会人でも学びやすいです。
第5章 ステップ③ 勉強開始!USCPA4科目の全体像
USCPA試験は4つの科目で構成されています。
| 科目 | 内容 | 学習期間目安 |
|---|---|---|
| FAR(財務会計) | 会計の基礎・IFRS含む | 2〜3か月 |
| REG(税法) | 米国税法、法人税・個人税 | 2〜3か月 |
| AUD(監査) | 監査の理論・証拠収集 | 2〜3か月 |
| ISC(情報システム) | IT×会計・内部統制 | 1〜2か月 |
合計で約8〜10か月の学習が必要とされます。
教材は「アビタス」や「NinjaCPA」などが有名です。
🔍 学習ポイント
- 最初はFAR(会計基礎)から始めると理解しやすい
- 問題演習中心に学ぶ
- 模試で弱点分析を行う
第6章 ステップ④ 出願〜試験申込の流れ
勉強が進んだら、いよいよ出願です。
手続きは**NASBA(米国公認会計士協会)**を通じて行います。
✅ 手順
- モンタナ州に出願申請(約25,000円)
- WESの評価結果を添付
- 受験許可書(NTS)が届く
- Prometric Japanで試験予約
試験会場は東京・大阪などにあります。
4科目すべて日本で受験可能です。
第7章 ステップ⑤ 試験本番と合格のコツ
USCPA試験はコンピュータ試験(CBT)で、全て英語です。
✅ 試験概要
- 各科目4時間(MC+Task+Essay)
- 合格基準:75点以上
- 合格有効期間:18か月(最初の合格から)
💡 合格のコツ
- 模試でタイムマネジメントを練習
- 問題文を読むスピードを上げる
- 単語よりも「会計の文脈」で理解する
第8章 ステップ⑥ 合格後にやること
4科目合格後は、すぐにライセンス申請できません。
次の2つの手続きが必要です。
✅ 1. Ethics Exam(倫理試験)
- AICPAが提供するオンライン試験
- 合格ライン:90点以上
- 費用:約3万円
✅ 2. 実務証明
- Experience Verification Formを提出
- 上司サイン不要(モンタナ州の場合)
- 経理・会計職で1年以上の経験があればOK
第9章 ステップ⑦ ライセンス申請〜維持
すべての条件を満たしたら、モンタナ州にライセンスを申請します。
✅ ライセンス申請
- 費用:約10万円
- 英文の職務証明書を添付
✅ 維持(更新)
- 年会費:約18,000円($120/年)
- 継続教育(CPE)を年間40時間受講
- Ethics講座を3年に1回受講
これを続けることで、ライセンスはずっと有効になります。
第10章 キャリアアップへの活用法
ライセンス取得後は、必ずLinkedInで資格を記載しましょう。
「USCPA(Montana)」と英語で表記することで、海外企業のスカウト対象になります。
また、日本国内でも次のような企業がUSCPAを高く評価しています:
- 外資系企業(Salesforce, メルカリ, Amazonなど)
- 日系グローバル企業(商社・メーカー)
- コンサルティング会社(Big4, Accentureなど)
英語+会計+国際資格の組み合わせは、キャリアの武器になります。
第11章 💰 総費用まとめ(約503,000円)
| 項目 | 費用(円) |
|---|---|
| WES学歴評価 | 50,000 |
| オンライン単位補充 | 40,000 |
| 出願・試験費用(4科目) | 150,000 |
| 模試・教材費 | 5,000 |
| Ethics試験 | 30,000 |
| ライセンス申請 | 100,000 |
| 維持費・CPE等 | 63,000 |
| 合計 | 約503,000円 |
💡コスパのポイント
日本の公認会計士試験と比べて、
- 期間が短い(1年以内も可能)
- 英語力と実務を同時に磨ける
- 世界で通用するキャリアに繋がる
第12章 まとめ:USCPAは「未来への自己投資」
USCPAは、単なる資格ではなく「キャリアの通貨」です。
取得までに時間と費用はかかりますが、
得られるリターンはそれ以上に大きいものです。
特にモンタナ州ルートは、日本在住者にとって最も効率的。
働きながらでも確実にライセンス取得が可能。

