〜1週間で内定、スピード昇給、そしてその裏側〜
🏁はじめに:面接からすでにスピード勝負だった
「中国系のIT企業ってどうなの?」
最近、転職を考える人からよく聞かれる質問です。
私が答えるならこうです。
——“めちゃくちゃスピード感がある。でもその分、光も影もハッキリしている。”
実際、私が今の会社に応募したとき、求人応募から内定まではたったの1週間。
面接は2回で、1回目が人事、2回目が社長。
それぞれたった数十分で終わりました。
1回目の人事面接では、
「日本人いないけど大丈夫?」「中国語話してみて」と軽い確認程度。
翌日の社長面接では、「独立を目指してますか?」「どこに住んでるの?」と5分で終了(笑)。
「え?これで終わり?」と思う間もなく、翌日に内定通知。
——この時点で、“日本企業とはまったく違う世界に来たな”と感じました。
💡第1章:中国系IT企業ってどんなところ?
中国系のIT企業といっても幅広いですが、
共通して言えるのは「スピードと成果主義」が文化の中心にあるということ。
テンセント、バイトダンス(TikTok)、ファーウェイ、アリババなど、
中国国内の競争がとにかく激しい。
そのスピード感が日本支社や関連会社にもそのまま持ち込まれています。
私が勤めている会社も、スマホアプリの受託開発、AWS関係、システム開発、SESなどを手掛けるIT企業。
社員のほとんどが中国人で、公用語は中国語。
日本人は私ひとりだけでした。
🚀第2章:中国系IT企業で働くメリット
① とにかくスピードが速い
入社後もスピード感は想像以上でした。
意思決定は「やる or やらない」の2択。
稟議?上司の承認?そんなものはありません。
「これ、やってみたいです」と提案すれば、
「いいね、やってみて」で即スタート。
“考えるより動く”文化が根付いています。
実際、私は経理担当として入りましたが、
税理士の変更や社内DX(freee会計導入)などを一気に任されました。
「会社のためになると思ったことは全部やっていい」。
——この自由さは、他では味わえません。
② 成果主義で報酬が明確
成果が出れば、すぐ評価される。
節税制度を調べて成功したときは、なんと節税額の5%をインセンティブとしてもらいました。
さらに驚いたのが昇給スピード。
私の同僚のプロジェクトマネージャー(30歳)は、
入社2年で月給が30万円→60万円→75万円。
半年ごとに昇給していく姿は衝撃でした。
数字で結果を出せば即反映。
努力より「成果」で報われる、それが中国系の醍醐味です。
③ 多国籍でフラットな文化
社内は中国・台湾・ベトナム・日本など多国籍。
上司が社長直轄なので、立場に関係なく意見が通りやすいのも特徴。
日本企業にありがちな“年功序列”はほぼありません。
また、チャットはSlackではなくWeChat。
スピード命のコミュニケーションが日常です。
慣れれば、“世界の人たちと同じテンポで働いている”感覚を味わえます。
④ 意外と残業が少ない
「中国企業=長時間労働」というイメージがあるかもしれません。
でも私の会社は、18時を過ぎるとみんなスッと帰ります。
無駄な会議もなし。
報告書よりも“結果”が優先されるので、効率がとにかく良い。
仕事が早く終わればすぐ帰宅。
スピード文化のおかげで、ワークライフバランスが整うという意外な一面もあります。
⚖️第3章:中国系IT企業のデメリット
① 速すぎてついていけないこともある
「昨日決めたことが今日変わる」は日常茶飯事。
最初のうちは混乱の連続です。
「なぜ変わったんですか?」と聞いても、
返ってくるのは「その方が早いから」の一言。
“説明よりスピード”が最優先。
柔軟に切り替えられないと、置いていかれる感覚になります。
② 成果主義ゆえにドライ
評価もスピードですが、リストラもスピード。
結果を出せなければ、すぐ契約終了。
チームワークよりも個人の数字が評価されるため、
「仲間意識」や「助け合い文化」は薄いです。
情より数字の世界。
冷たく感じる人も多いかもしれません。
③ コンプライアンスのグレーゾーン
正直、ここが一番のモヤモヤポイントでした。
実際には働いていない人を名義だけ入社させて、
給与を支払い、裏で仮想通貨経由で社長に戻るような仕組みも……。
「え、それ大丈夫?」と思うようなこともあり、
日本的なコンプラ意識とは明らかに違います。
“結果のためなら手段も柔軟に”という文化が残っている部分もあるんです。
④ 言語・文化の壁
社内公用語は中国語。
“日常会話OK”レベルでも、ビジネススピードに追いつくのは至難の業。
上司の指示もストレートで、「やって」「ダメなら次」といったシンプルな指示が多い。
日本的な「相談して決める」スタイルを求める人には、
かなりギャップが大きいと思います。
🧭第4章:どんな人が向いている?
中国系IT企業で輝く人は、
ズバリ**「変化を楽しめるタイプ」**です。
- 指示を待たずに動ける人
- 結果で評価されたい人
- 語学や文化の違いを面白がれる人
- スピード感やプレッシャーを楽しめる人
逆に、ルールを重んじる人・安定志向の人には厳しい環境。
「空気を読む」より「成果を出す」が正義です。
安定より刺激。
保守より挑戦。
そんなマインドの人にとっては、
中国系企業はキャリアの加速装置になるでしょう。
🗣️第5章:私が感じたリアルな現場
入社当初は、「軽い面接で大丈夫?」と不安でした。
でも入ってみると、
“やる気と結果次第でいくらでも成長できる場所”だと気づきました。
税理士の変更、社内DX、freee導入。
自分の提案が次々に実現していく爽快感。
そして節税で成果を出したときのインセンティブ。
“自分の動きが会社を変える”手応えは強烈でした。
ただ一方で、
コンプラ的に「ん?」と思う場面や、
方針変更の速さに疲れることもありました。
「スピードと成果」と「安定と誠実さ」。
どちらを取るか。
それが、私が次の転職を考えるきっかけにもなりました。
🎯まとめ:安定か、挑戦か。あなたはどっちを選ぶ?
中国系IT企業は、
スピード×成果×自由がそろった超実力主義の世界。
💡メリット
- 意思決定が速い
- 自由度が高く提案しやすい
- 成果が報われる
- 昇給・昇進スピードが桁違い
⚠️デメリット
- 方針転換が頻繁
- ドライな評価制度
- コンプラの甘さ
- 言語・文化ギャップ
2年間働いて感じたのは、
「速さは刺激的。でも誠実さが恋しくなる瞬間もある」ということ。
どちらが正しいではなく、
どちらの環境で“自分が輝けるか”。
それが、一番大切です。
あなたは——
安定を選びますか?それとも、挑戦を選びますか?定、スピード昇給、そしてその裏側〜
